学校の勉強はなんのためにするんだろうか?

エッセイ

学生、特に高校生くらいの頃はよく、なんのために勉強しているんだろう?と思っていたものです。

「微分積分なんて日常生活のどこで使うんだよ!」とか、
「古文とか漢文とか、教科書以外で見ることなくない?」とか。

高校は進学校だったので、みんな大学に行くのが当たり前。大学に行くことに何の疑問もなく、大学に行くためだけに勉強していました。その当時から特別やりたいことはなく、だから行きたい大学に特にこだわりもなく、なんとなく英語や海外は好きだったから外国語専攻がある大学を選んだだけ。

当時の勉強は進学するために必要だからやってただけで、勉強そのものに意義とかやりがいとかは見いだせていませんでした。

なんのために勉強するのか?将来なんの役に立つのか?
「大学受験のため」以外に、納得できる有益な回答をしてくれる大人は誰もいませんでした。
だけど今自分がこの質問をされたら、自分なりに答えられます。

なんのために勉強するのか?
それは、「将来の自分の可能性・選択肢を、自ら狭めないため」です。

学校の勉強は実際、社会に出てから全然役に立たないことも、必要ないこともたくさんあります。微分積分ができなくて困ったこともないです、今のところ(笑)だから、できないからって人生終わりってこともないし、自分が絶対に使わない予定なら、捨てても別にいいかもしれません。

でも、本当に「絶対に」使わないって言いきれるでしょうか?

もし現時点で自分の目指すものややりたいことが明確にあって、それを達成するために必要なこと・不要なことも明白なら、必要なものだけに全力投球しても良いかもしれません。
だけど、「不要」と判断して捨てたものが、思いもよらぬところで必要になることもあるのです。

例えば、自分は理系の道を進んで研究者になるから英語はいらないと思っても、研究者になれば英語の論文を読んだり書いたりしなければいけません。日本語だけで入手できる情報は限られています。より高度な世界レベルの研究をするなら、英語は絶対に必要になるでしょう。

微分積分は使いどころがあるか分かりませんが(汗)文系でも数学の知識は必要です。売上の数字を管理したり、達成するための戦略を逆算して考えたり。仕事はただ頑張るとかやる気があるだけでは当然だめで、どうすれば売り上げが上がるのかとか、お客様や商談相手の感情を動かせるのかとか、感情論ではなくロジカルに考えたり話を組み立てたりする必要もあります。

それに、やりたいことは途中で変わることだってあります。世の中には出会ったことのない面白いものや、人や、世界がたくさんあります。ある日突然そういうものに出会って心を動かされ、その道を志すようになるかもしれないのです。

突然の環境の変化によって、やりたいことが変わることもあるかもしれません。家族や大切な人が病気やケガをして、医療や看護の道を志したり、思いがけず家業を継ぐことになって経営に目覚めたり。

その時に、学生時代に「不要」と考えて頑張らなかったことが、必要になるかもしれない。一度捨ててしまったことで後れを取ったり、最悪の場合その道をあきらめざるを得なくなるかもしれないのです。最低限学校で習うところまで基礎ができていれば、みんなと同じスタートラインから始められるのに。あの時学校でちゃんと勉強しておけば、教えてくれる人だっていたのに。

せっかく、やりたいことがみつかったのに。

もちろん、思い立てばいつからだって始められるし、何度だってやり直せます。
だけど自分が頑張っていなかった時から、ずっとずっと頑張り続けている人がいるのだって事実。
「今からでも頑張れば追いつける」なんて簡単に言えるほど甘くない。そればずっと継続してきた人たちの努力を軽く見すぎ。追いつこうと思ったら何倍も何十倍も努力しないといけない。

私の「やりたいことがみつからない」原因の1つに、
「やりたいと思ったことがあったけど土台がなくて始める勇気が出なかった」
というのがあるのかもしれない、と思っているんです。

「おもしろそう、でも今からじゃ間に合わないか…」「高校レベルの基礎すらできてないのに…」
どこかでそんな風に考えてあきらめてきたことが、いろいろあるような気がするんです。

だからこそ、今勉強する意義が見出せなくてモチベーションが上がらないという学生さんがいたら、ぜひとも伝えたい。
なんのためだか分からなくても、とにかく今は全力で勉強しておけ!!と。

すでにやりたいことを見つけた人はもちろんだけど、見つけてない人はなおさらです。
いつか心からやりたいことを見つけた時に、あきらめなくていいように。
迷いなく、その道に飛び込んでいけるように。

私みたいにいつまでもやりたいことを見つけられない大人にならないように!

やりたいことが見つからない人ってきっと他にも結構いると思うんですよね。そういう本だってたくさんあるし、私と同じような悩みを持っている人がたくさんいるってことだと思います。

だけどやりたいことを探している間だって、同じように時間は流れていくわけで。見つけるのが遅くなれば遅くなるほど、見つかっても費やせる時間は短くなる。

だから少しでも早くやりたいことを見つけた方がいい。やりたいことを全力でやっている人の方が、圧倒的に楽しそうだと思います。
だから誰もが、やりたいことを全力で楽しめるようになればいいなと本当に思っています。

もちろん私も。
スタートは出遅れたけど、あきらめてませんよ!

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